ハゼの実ダンディ・高橋善蔵の墓

史跡

時期はちょっとすぎちゃいましたが、このあたりで紅葉と言えばイチョウかハゼ。
特にハゼの鮮やかな赤は、秋の景色に欠かせません。

このハゼノキ、ロウソクの材料になるということで、江戸時代に盛んに植えられたみたい。


ここは毎度おなじみ裂田の溝、伏見神社の近くの細道を一本入ったところ。
高橋善蔵の墓、と案内が立っています。

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・・・て誰?

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ここみたいだけど、、、、、???

見回すとこのあたり、写真に写ってるほかにもお墓がいっぱい。
山田地区の、特にこの付近の家々の墓所のようです。明るい時に来てよかった(^^;

でも石の墓碑で高橋善三と記されているものはありません。
この白い木製の碑があるのみ。

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まわりにぐるりと謂れが記されていました。

翁は天和三年(1683)〜宝暦十一年(1761)の方で筑前那珂郡山田村の庄屋であった時、私たち先祖の窮乏を救わんと大変苦労され、薩摩藩から、巷間に伝えられるところによるとにぎり飯の中に種を入れて持ち帰り、延享四年(1748)に『窮民夜光之珠』—ハゼの選種から栽培のいっさいの指導書を著わされ、人々を救われた。遺言に「墓標はいらぬ植櫨を以てせよと—。

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こちら(↑)は那珂川町教育委員会製の解説。
窮乏する農民を救うためにハゼの実からロウソクを作ろうと、栽培方法を研究・指導。
その名もズバリ『窮民夜光の珠』って本も書いて、大いにハゼ栽培を広めた、ということです。

さっきの話、きっと薩摩藩では、ハゼの実の持ち出しを禁止してたんでしょうね。武勇談♪

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高台にある墓所からの眺め。

それにしても、

墓標はいらない、ハゼの樹を植えよ。

・・・かっけー \(^0^)/

かっこいいとこは他にも!

他のブログさんからの孫引きになりますが、その著作の前書きに、高橋善蔵はこんなことを書いてると言います(太字はあっと)。

つたないながらもその大よそをいま筆をとって書き残しておけば、いろいろな知識のない地方の人々や身近な親類の子や孫たちにとって、ゆくゆくは世渡りの助けとなるのではなかろうか。私の願いは財宝を貯え、金持になることではない。身分の低い百姓たちはただひたすら農業に精を出さなければならないのである。
一日の計は早朝にあり、一年の計は元旦にありというではないか。十年の計は樹を植えることであろう。

功績、志とも、まさに偉人と呼ぶに相応しい、町の誇り\(^0^)/

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当時はハゼ栽培を教わるために、たくさんの人がこの人のもとを訪ねてきたらしいです。

ハゼ製ロウソクのおかげで漆製のロウソクが使われなくなった、なんて余波もあったようです(^^;

もっと早く来ておくべきだったな。

コメント

  1. セッポン より:

    櫨並木、我が地元にもありますが綺麗ですよね(^^

    …知人は櫨アレルギーがあるので、その道を通れないと言ってましたが(^^;;

    しかし、まだまだ知らない地元の偉人・名士はいらっしゃいますね。

    • at より:

      セッポンさん、こんばんは(^^)

      ですね、鮮やかな赤色に季節を感じますよね。
      ハゼにもアレルギーがあるんですね。
      それはちょっと気の毒だな。
      ハゼからとったロウとかもやっぱりだめなんでしょうかね、、、

      そうですよね、歴史上の巨人たちだけじゃなくて、地道に偉かった人たちの生き方を知ることも、とってもいいことだなと感じてます。

      コメントありがとうございます!

  2. NACHIKO より:

    こんばんは~!あの真っ赤に紅葉する美しい櫨の木からロウソクを作り、その技術を惜しむことなく貧しい人々のために書き残したなんて本当に偉人だったんですね~。あっちゃんの町の誇りですよね~。どの時代にも偉人と呼ばれる人はいるけれど自分の町にそんな素晴らしい人物がいたなんて分かっただけでも嬉しいですよね~!遺言もなんとかっこいいこと~( ^o^)ノ

    • at より:

      なちこさんこんばんは(^^)
      遅くなって失礼しちゃいました、ごめんなさい。

      まったく見事なお方としか言いようがありませんが、きっとどの町、どの時代にもこういう偉いお人というのは存在したし、今もきっといるんじゃないかなって思いますよね。
      暗くなったりせずに、そういう人を見いだして、学びたいなと思いました♪

      コメント、いつもありがとうございまーす(^0^)/

  3. かおたん より:

    あっちゃん、こんばんは〜♪
    ハゼの木、どんな木だったかしら?後でネットで調べてみなくちゃ。
    高橋善三さん、偉人ですね〜!
    先を考え行動に移せるっていうのは、さすがですね〜。
    にしても、遺言?の通り墓標もないとは。。。
    お墓ってやっぱりなんだかちょっと怖いイメージ拭い切れませんね^^;
    そこの土地は今でもロウソク、名産品なんですか?

    • at より:

      かおたん、こんばんは(^^)
      ご訪問、そしてコメントいっぱい、いつもありがとう〜♪♪♪

      ハゼの木、紅葉もきれいだけど、白くてコロコロした実のつき具合が可愛いから、見たらわかると思いますよ。

      そうですね、この場所は特に代々の墓所らしく、苔むした感じで独特の雰囲気になってました。

      ハゼロウソクはもうほとんど廃れてますね。
      調べたら福岡のみやま市の荒木製蝋という会社でまだ作っているそうです。えらいな〜。
      http://kankou.chikugolife.jp/search/shop/detail.html?id=110

  4. 星華 より:

    お久しぶりです!
    結構前にここには行ったことがありますが…
    「ハゼ」がどんな木なのか知らないんですよね・・・(^_^;)
    とりあえず、紅葉する木なんですね!

    • at より:

      星華さん(^0^)/
      コメントどうも〜〜♪ たくさん見てくださったんですね、嬉しいです。

      おー、さすが、歩かれてますね。
      長らく気になってましたが、私は今回が初めてでした。偉いかたがいたものだと思います。

      ハゼ、見たらわかると思いますよ。
      白くてかわいらしい実がつきます。紅葉も真っ赤になってきれいです(^^)

  5. 渡辺慶彦 より:

    はじめまして。
    那珂川町に住んでいます、渡辺慶彦と申します。
    高橋善蔵さんのお墓のすぐそばに住んでます。
    私は出身が筑後市で実家の横にははぜ並木が有ります。
    因縁感じます。

    • 渡辺さん、はじめまして♪
      投稿どうもありがとうございます!

      なんとうらやましい、伏見神社も裂田の溝もすぐ近くの場所にお住まいなんですね! もしかしたら上の写真にお宅が写っていたり(#^-^#)?

      筑後はハゼロウソクづくり、盛んだったようですね。今では使われることも無くなりましたが、灯りといえばロウソクという時代では、かなり重要な産業だったのでしょうね。
      高橋善蔵さん、もっと多くの人に知られてよい方かと思いますね(^^)

      このところあまり書けてないんですが、よかったらまたご訪問ください。